発症の原因・患者数について

2.発症の原因、要因について

双極性障害の原因は、まだ解明されていません。 しかし、この病気は精神疾患の中でも最も脳やゲノムなどの身体的な側面が強い病気だと考えられており、ストレスが原因となるような「こころ」の病気ではありません。 ですから、精神療法やカウンセリングだけで根本的な治療をすることはできません。 また双極性障害は、どんな性格の人でもなりうる病気です。
 

2.患者数について

うつ病の頻度は、欧米ではおよそ15%とされています。双極Ⅰ型障害を発症する人はおよそ1%前後、双極I型とII型の両方を含めると 2~3%にも及ぶといわれています。 日本では、うつ病の頻度は7%くらいで、I型とII型を合わせた双極性障害の人の割合は0.7%くらいといわれています。このように、一見、日本では双極性障害が少ないようにみえますが、文化的、社会的な違いも大きいため、欧米と日本で本当にそれだけの差があるのか、まだ結論は出ていません。単純計算でも、日本に数十万人の患者さんがいると見積もられますが、日本での本格的な調査が少なく、はっきりしたことはわかっていません。

海外では、うつ状態で病院に来ている方のうち、20~30%の方が双極性障害であるといわれています。うつ病は一過性のものであるのに対し、双極性障害は躁状態とうつ状態を何度も再発するので、うつ病に比べて、発症頻度が少ない割には、病院に通院している患者さんの数は多いと考えられます。

 

症状について