なぜひきこもりになってしまうの?

「ひきこもり」は、「元気」や「自信」が失われた状態で「怠け」や「反抗」ではありません。 
「ひきこもり」の状態は、何らかの理由で「元気」や「自信」がなくなっている状態です。その上、社会的経験が少ないという要因が重なっている方もあります。 
そのため、回復に向けては、元気を出し、自信をつけ、社会的経験を増やしていくという経過をたどることが必要になります。きっかけさえあればすぐに社会に出て行けるというわけではないようです。

・元気がない 
何らかの理由で元気がなくなっている状態です。この元気がない背景には、こころの病や精神的に不安定になっている場合が考えられます。心を安定させるお薬の力を借りることで、元気が取り戻される場合もありますh


・自信がない 
挫折体験やいじめなどの明確な契機の場合もありますが、むしろ小さなつまずきを何度も繰り返して自分に自信がなくなっている状態です。特に対人関係が苦手な方が多く、対人関係についての自信のなさがうかがわれます。 

・社会経験や生活経験が少ない 
どちらかというと内向的で、アルバイトなどの社会的経験が少ない場合があります。また、人づきあいも苦手な方も多く、もともと、人と接する機会自体が少なかったという要因が重なっている場合もあります。


どんな家庭にもあり得る状態です。「犯人探し」をしても意味がありません。 h
そのときそのときには最善をつくして育てたつもりでも、子どもが長期にわたりひきこもると、家族は自分たちがその原因なのではないかと自分を責めたり、将来への不安や悲観、絶望感を感じていることがしばしばです。


しかし、過保護や放任などの親の育て方や過去の家庭環境などに原因を求める考え方は、多くの場合問題の解決にはあまり役に立ちません。先述したように、実際にはさまざまな要因が重なって「社会的ひきこもり」になっている場合が多いからです。
したがって、「学校の先生が悪かった」・「職場の仲間が悪かった」等、他者に責任を押しつけることも、適切ではありません。

原因や「犯人探し」よりも、むしろこれから本人のどういう点を伸ばしていくのか、家族をどう応援していくのかを考えていくことの方がむしろ効果的です。

「社会的ひきこもり」と不登校 
「社会的ひきこもり」相談事例のうち、最初に問題が発生したときの年齢は「19~24歳」が最も多いのですが、それについで「16~18歳」、「13歳~15歳」となっています。学齢時に問題が起こった場合、「不登校」という形をとることになります。

もちろん必ずしも不登校の子ども全部が「社会的ひきこもり」状態になるわけではなく、心配しすぎる必要はありません。



 

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